こんにちは。
セイクレッドテンプルの今村えりです。
11月に入り、2017年が少しずつ終わりに近づいていることを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
わたしは今、北インドのリシケシという町で過ごしています。
リシケシは、ヨガや瞑想のメッカとして知られている場所です。
雄大に流れるガンジス河、道行く牛やロバ、寺院から聞こえてくる鐘の音やマントラ、、、
混沌としているインドの中でも、深い寛ぎが訪れるこの場所は、わたしが自分の本当の家に戻ってくることができたように感じる場所のひとつです。
さて、1年が終わりに近づいていきますほどに、わたしたちの意識は、自然と内側に向かうことが多くなりますね。
例えば、
「今年、やろうと思っていたことを、どれだけやれたかな」など、具体的、物理的なこと（DO：行為）の中に振り返るものもあるかもしれませんし、
「変えようとしてきた自分のパターンから、どれだけ自由になれたかな」など、より微細で、内的なこと（BE:在ること）の中に、振り返るものもあるかもしれません。
レントゲン写真を撮って、からだの内側を覗き込み、不調が生じているところを治すために働きけることに似て、
自分が人生の中でどこにいるのかということや、自分の感情や精神や霊性の状態はどのようなものなのかを、エネルギーのレンズを通して的確に把握し、不調和が起こっているところを癒していくために、必要な方向性へと舵を切っていくことは、とても大切な作業です。
一年という一つのサイクルを閉じていく手前のこの時期、わたしたちの意識が静かな内省へと向かうこの季節に、自分自身のいる地点、自分自身の状態やバランスの在り方を、改めて受け止めていくことは、とても有効なことかもしれませんよね。
さて、ヒーリングの領域においては、わたしたちはともすると、何か自分に欠けているもの、自分の中で壊れている部分や傷ついているところに、目を向けがちです。
自分自身の癒しと統合に向けて、わたしたちは、自分の中にある、いわゆる「ネガティビティー」に焦点を当てることを通してのみ、歩を進めるものだと思っていることもあるかもしれません。
もちろん、真の癒しや変容を迎え入れるためには、現実の姿そのものを、正面から受け止める必要があります。
あるがままの真実から目を背けて、『ポジティブ思考』を用いて、物事の形を変えて捉えてしまうことや、「今ここ」にある現実から離れて、「これからどうありたいか」という地点から取り組みを始めてしまうことは、大きな障害になります。
けれど、わたしたちが受け止めるべき「現実」とは、必ずしも、自分の中のバランスを崩しているような側面だけに限るものではありません。
自分自身が生まれもって運んできた美しいギフト、あるいは、人生の経験を通して磨き上げられてきた素晴らしい特質もまた、わたしたちに十分に認識される必要のある「現実」です。
真の癒しや変容の旅路は、人生を通して歩む必要のある長い道のりです。
その長い旅の中では、自分自身のアンバランスな部分だけに焦点を当てるのではなく、自分の中にある美しい部分、光り輝いている部分にも意識を向け、その特質を通して、喜びと共に自分自身を活かしていくことが、険しい道を歩くときにも、わたしたちが歩を進めることを諦めてしまうことなく、わたしたちをより遠くへと推し進めてくれることに繋がる、大切な鍵になります。
この一年を振り返ることを通して、自分自身の人生における立ち位置を改めて見つめていくような作業を始められています方は、ぜひ、あなたが天界から運んできたような、生来携えているギフトや美しさ、そして、これまでの人生のチャレンジに果敢に取り組んできたことを通して磨き上げてきた強さや特質にも、目を向けてみてくださいね。
あなたの中に宿っている輝きや特質の中には、もともと無条件に持ち合わせてきたようなものもあれば、あなたの痛みや葛藤を通して生まれたものもあるはずです。
多くの場合において、わたしたちが繰り返し直面する困難さや苦手なことと、わたしたちを最も輝かせてくれることになる強みは、コインの表と裏のように、同じものだったりします。
自分を責めることなく、ただ、今、自分が人生においている地点をありのままに受け止めることが出来るようになるほどに、癒しと変容は、そのスピードを自然とあげていきます。
愛を込めて
今村えり
